小児麻痺(読み)しょうにまひ

精選版 日本国語大辞典 「小児麻痺」の意味・読み・例文・類語

しょうに‐まひ セウニ‥【小児麻痺】

〘名〙 小児に多くみられる、病後手足麻痺を残す神経疾患の俗称。脊髄性と脳性とに分かれる。前者ポリオウイルスに脊髄が冒されて手足に麻痺が残る伝染病ポリオ)、後者は出産前後の種々の原因によって脳神経が冒されるために麻痺が起こるもので伝染しない。麻痺のぐあいも脊髄性のものは弛緩性麻痺、脳性は痙直性麻痺であることが多い。
※波(1928)〈山本有三〉父「それは子供によくある小児麻痺だった」

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デジタル大辞泉 「小児麻痺」の意味・読み・例文・類語

しょうに‐まひ〔セウニ‐〕【小児麻×痺】

小児期に起こり、あとに四肢などの運動障害を残す病気急性灰白髄炎(ポリオ)と脳性麻痺脳性小児麻痺)とがあり、特に前者を単に小児麻痺ということも多い。この両者はまったく別の病気である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小児麻痺」の意味・わかりやすい解説

小児麻痺
しょうにまひ

単に小児麻痺といえば、ポリオウイルスによる知覚障害のない麻痺性疾患(ポリオ)をさす。脳性小児麻痺は、原因が多彩で症状も多種多様であり、別に扱われる。

 ポリオは脊髄(せきずい)性小児麻痺ともよばれ、ポリオウイルスが脊髄前角に親和性をもつので急性灰白髄炎ともいうが、発熱嘔吐(おうと)、傾眠、四肢の痛みを訴え、解熱するころ麻痺が急に出現するのが特徴である。左右対称でなく、多くは下肢で、ついで上肢に多くみられ、呼吸筋麻痺をおこすと生命の危険がある。現在は、ポリオ生(なま)ワクチンの普及により、ほとんど発症をみない。

[山口規容子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小児麻痺」の意味・わかりやすい解説

小児麻痺
しょうにまひ
infantile paralysis

脊髄性小児麻痺 (→急性灰白髄炎 ) と脳性小児麻痺があるが,一般に小児麻痺という場合は前者をさす。

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改訂新版 世界大百科事典 「小児麻痺」の意味・わかりやすい解説

小児麻痺 (しょうにまひ)

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百科事典マイペディア 「小児麻痺」の意味・わかりやすい解説

小児麻痺【しょうにまひ】

ポリオ

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世界大百科事典(旧版)内の小児麻痺の言及

【ポリオ】より

…届出伝染病の一つで,急性灰白髄炎ともいい,かつては小児麻痺と称した。ポリオウイルスによる感染症で,下肢や上肢の永久的な麻痺を起こす疾患として恐れられた。…

※「小児麻痺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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