小公女(読み)ショウコウジョ(英語表記)A Little Princess

デジタル大辞泉 「小公女」の意味・読み・例文・類語

しょうこうじょ〔セウコウヂヨ〕【小公女】

《原題A Little Princessバーネットの児童小説。1888年刊。寄宿学校で学ぶ少女セーラが父の死と破産にあい、はじめての世間の冷たさに直面しながらも謙虚で誠実な生き方を貫いて、父の友人に見い出される。

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精選版 日本国語大辞典 「小公女」の意味・読み・例文・類語

しょうこうじょ セウコウヂョ【小公女】

(原題A Little Princess) 児童文学アメリカの女流作家バーネット作。一八八八年に「セイラ・クルー」として発表したものに大幅に加筆し、一九〇五年刊。やさしくて思いやりの深い少女セーラが、父の死後寄宿学校での冷遇にもその暖かさを失わず、ついには亡父の友人にめぐりあって昔の生活を取り戻すという物語。明治二六年(一八九三若松賤子(しずこ)によって翻訳紹介され広く知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小公女」の意味・わかりやすい解説

小公女
しょうこうじょ
A Little Princess

アメリカの作家バーネットが『小公子』に次いで書いた、子供のための物語。『セーラ・クルー』として1888年に児童雑誌に掲載されたものが、一部手直しされ、1905年に現在のような形の『小公女』が完成した。主人公のセーラは、父の破産と死という悲劇にもめげず、持ち前の優しさを失わずに、いままで学んでいた寄宿学校で働くうち、父の友人に発見されて、もとの幸福な生活に戻るというシンデレラ物語である。主人公の性格や物語の構成に『小公子』との類似がみられ、『小公子』同様、出版されるとすぐに大成功を収めた。1893年(明治26)若松賤子(しずこ)訳『セイラ、クルーの話』が『少年園』に掲載された。

[掛川恭子]

『吉田勝江訳『小公女』(岩波少年文庫)』

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