小朝拝(読み)こちょうはい

精選版 日本国語大辞典 「小朝拝」の意味・読み・例文・類語

こ‐ちょうはい ‥テウハイ【小朝拝】

〘名〙 (「こぢょうはい」とも) 元旦天皇拝賀する儀式大内裏正庁で百官を集めて行なう公式朝賀の後、天皇の御座所である清涼殿東庭において行なう歳首の拝賀。皇太子、大臣以下五位、六位の者が参集する。延喜五年(九〇五)に「王者無私」として廃止されたが、同一九年、藤原忠平の奏請によって復活。はじめ朝賀、小朝拝ともに行なっていたが、一条天皇以後、もっぱら小朝拝のみ行なった。〔西宮記(969頃)〕

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デジタル大辞泉 「小朝拝」の意味・読み・例文・類語

こ‐ちょうはい〔‐テウハイ〕【小朝拝】

略式の朝拝の意から。「こぢょうはい」とも》元日に公式の朝拝の儀式のあと、親王以下、六位蔵人くろうど以上の者が清涼殿の東庭に立ち並んで、天皇を拝賀する儀式。

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世界大百科事典(旧版)内の小朝拝の言及

【朝賀】より

…また地方においても元日に国庁で国司が属僚郡司をひきいて朝拝し,長官が賀を受けた。朝賀は一条天皇の正暦年間(990‐995)以後廃絶し,これにかわって朝賀の後に清涼殿で行う略式の小朝拝(こちようはい)がもっぱら行われるようになった。小朝拝は9世紀中ごろの文徳・清和天皇のころからはじまり,のち朝賀のない年に行われるようになり,醍醐天皇の905年(延喜5)に一時停止したが,919年に復活し,摂関期には〈小朝拝常の如し〉(《御堂関白記》)となった。…

※「小朝拝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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