小村神社(読み)おむらじんじや

日本歴史地名大系 「小村神社」の解説

小村神社
おむらじんじや

[現在地名]日高村下分 小村

日下くさか川の下流、通称小村に鎮座し、国常立命を祀る。旧県社。

社伝では用明天皇二年の勧請。土佐の二宮といわれ、小村大天神とも称する。「三代実録」貞観一二年(八七〇)三月五日条に「詔授(中略)土左国(中略)従五位下小村神従五位上」とみえ、香美郡の立山たてやま神社・大谷おおたに神社(現野市町)とともに位階を進められている。仁治元年(一二四〇)および貞和三年(一三四七)の棟札(蠧簡集木屑、南路志)によれば、当社の造替には国司があたるのを先例としたが、しだいに地頭以下がこれを行うに至ったとあり、用材供給地として仁淀によど川中流・上流域の「吾河山別府山横川山」が記されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小村神社」の意味・わかりやすい解説

小村神社
こむらじんじゃ

高知県日高村にある元県社。祭神はクニノトコタチノミコト。社伝では用明2 (587) 年の勧請とされており,貞観 12 (870) 年以前に従五位下であったことが『日本三代実録』により知られる。平安時代には造替は国司の任であった。のち,土佐国二宮とされ社勢は隆盛し,中世以降武門のあつい崇敬を受け広大な社領をもっていたが,山内氏入国によってその大半を失った。神体は古墳時代後期の金銅荘環頭大刀で,拵 (こしらえ) と身両方が完存しており,国宝。朝鮮伝来の形式で,古墳出土ではなく伝世品として現存する唯一のもので貴重である。

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デジタル大辞泉プラス 「小村神社」の解説

小村神社

高知県高岡郡日高村にある神社。“小村”は「おむら」と読む。用命天皇の時代の創建と伝わり、祭神は国常立命(くにのとこたちのみこと)。神体の金銅荘環頭大刀は国宝に指定されている。社殿背後には神木の牡丹杉がそびえる。

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