小柄(読み)こがら

精選版 日本国語大辞典 「小柄」の意味・読み・例文・類語

こ‐がら【小柄】

〘名〙 (形動)
体格が普通より小さいこと。小づくり。また、そのさま。⇔大柄
評判記・野郎立役舞台大鏡(1687)中村数馬「難にいわく生付こがら成ゆへ」
着物などの模様縞柄(しまがら)がこまかいこと。⇔大柄

こ‐づか【小柄】

〘名〙 刀の鞘の副子(そえこ)の櫃にさし入れる小刀の柄(つか)。また、その小刀を含めていう。
※大内問答(1509)「御小刀小柄金に而そぎつぎにつがれ候」

しょう‐へい セウ‥【小柄】

〘名〙 マツタケなどの担子菌類胞子をつける小さな柄。担子柄。担子梗。〔生物学語彙(1884)〕

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デジタル大辞泉 「小柄」の意味・読み・例文・類語

こ‐がら【小柄】

[名・形動]
体格が普通より小さいこと。また、そのさま。「小柄女性」⇔大柄
模様やしま柄が細かいこと。また、そのさま。⇔大柄
[類語]小作り小兵小粒小形小ぶり小さいしょう小さなちっちゃいちっぽけ細かい低い小さめ矮小わいしょう寸足らずちんちくりん微小微細細微細密緻密ちみつ細か豆粒芥子けし群小最小小規模細細ほそぼそ零細ちんまりこぢんまりちまちまミニ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小柄」の意味・わかりやすい解説

小柄
こづか

日本刀の鞘(さや)に付属する長さ15センチメートル(柄は9センチメートル)ほどの細身の小刀(こがたな)。初めは小刀の柄を小柄と称したが、柄が実用以上に装飾性をもち、小刀が刀としての役割より、刀装具として用いられるようになると小柄の呼称が一般的となる。

 小柄の発生は、短刀の寸法が大きくなった鎌倉末期ころからと推定されるが、明確にされていない。しかし奈良時代の刀子(とうし)から直接変化したものではないようである。初めは腰刀に付属したものであるが、室町最末期ころから打刀(うちがたな)にも付属するようになり、江戸時代に大小拵(こしらえ)の武家風俗が定まると、正式(登城の際)の大小拵には打刀に小柄と笄(こうがい)、脇差(わきざし)には小柄のみをつける決まりとなった。元来の目的は日常のペーパーナイフ的なものであり、武器としての役割はもたないものである。さらに金銀を用いた精緻(せいち)な金工作品に発展していくと、小柄の装飾性は一段と強まり、この種の金工の名人上手が多く輩出した。

[小笠原信夫]


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百科事典マイペディア 「小柄」の意味・わかりやすい解説

小柄【こづか】

日本刀の鞘(さや)に添える刀子(とうす)(小刀)で,三所物一つ。刀や脇指(わきざし)を腰にさした場合,内側に位置する。柄の部分に彫金が施され,実用性よりも装飾性が強い。南北朝ごろから出現し,江戸時代には装剣金具の一つとして発達。
→関連項目一宮長常後藤祐乗杉浦乗意

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