小説家、英文学者。本名救(はじめ)。東京生まれ。明治学院高等部在学中に井伏鱒二(いぶせますじ)を愛読して知遇を得、師事する。早稲田(わせだ)大学英文科時代から『早稲田文学』などに作品を発表し、第二次世界大戦後は早大で教鞭(きょうべん)をとる。芥川(あくたがわ)賞候補となった小説『村のエトランジェ』(1954)や、1970年度(昭和45)の読売文学賞を受けた作品集『懐中時計』(1969)のほか、作品集『白孔雀(しろくじゃく)のゐるホテル』(1955)、『銀色の鈴』(1971)、『藁屋根(わらやね)』(1975)、イギリスでの経験に基づく『椋鳥(むくどり)日記』(1974)などがあり、私小説的結構のなかに、ユーモアとペーソスの漂う独特な味わいをもつ。
[柳沢孝子]
『『小沼丹作品集』全5巻(1979~80・小沢書店)』
《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...
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