小牡鹿の(読み)さおしかの

精選版 日本国語大辞典 「小牡鹿の」の意味・読み・例文・類語

さおしか‐の さをしか‥【小牡鹿の】

牡鹿が分け入る野の意で、「入(い)る」と同音を持つ地名入野(いりの・いるの)」(京都市西京区大原野上羽町にある入野神社付近一帯)にかかる。
万葉(8C後)一〇・二二七七「左小壮鹿之(サをしかの)入野(いりの)のすすき初尾花いづれの時か妹が手枕(ま)かむ」
② 鹿が立つ野の意で、地名「立野」にかかる。
※新勅撰(1235)秋下・三三四「日をへては秋風寒みさをしかのたちののまゆみもみぢしにけり〈藤原信実〉」
③ 鹿の膝を折る意で、「膝折り」にかかる。
※続日本後紀‐嘉祥二年(849)三月庚辰「其長歌詞曰。〈略〉九重御垣の下に 常世連て 狭牡鹿 膝折反し」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「小牡鹿の」の意味・読み・例文・類語

さおしか‐の〔さをしか‐〕【×牡鹿の】

[枕]小牡鹿の分け入る野の意から、地名の「入野いりの」にかかる。
「―入野のすすき初尾花」〈・二二七七〉

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