小谷正雄(読み)こたにまさお

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小谷正雄」の意味・わかりやすい解説

小谷正雄
こたにまさお

[生]1906.1.14. 京都
[没]1993.6.6. 東京
物理学者。東京帝国大学理学部物理学科卒業 (1929) 。同大学工学部講師,理学部助教授を経て,東京大学教授 (44~65) 。大阪大学基礎工学部教授 (65~69) 。分子の量子力学的研究成果をあげ,「分子エネルギー計算のための積分表」 (38) は世界的に高い評価を得た。第2次世界大戦中に朝永振一郎らと行なった磁電管 (マグネトロン) の発振機構と立体回路の理論的研究で,1948年日本学士院賞受賞。 60年日本生物物理学会の創立の中心となり委員長をつとめ,分子物理学に関する研究で 74年藤原賞を受賞。 70年から 82年まで東京理科大学学長。 80年に文化勲章を受章した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小谷正雄」の解説

小谷正雄 こたに-まさお

1906-1993 昭和-平成時代の物理学者。
明治39年1月14日生まれ。東大教授,阪大教授をへて,昭和45年東京理大学長。量子化学を研究し,また生物物理学の分野を開拓する。日本生物物理学会初代会長もつとめた。23年マグネトロンの研究で朝永(ともなが)振一郎とともに学士院賞。55年文化勲章。平成5年6月6日死去。87歳。京都出身。東京帝大卒。

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