少額訴訟手続(読み)しょうがくそしょうてつづき

百科事典マイペディア 「少額訴訟手続」の意味・わかりやすい解説

少額訴訟手続【しょうがくそしょうてつづき】

少額(60万円以下)の金銭請求の争いについては,原告の希望に応じて,簡易裁判所における1回限りの簡略な審理で,かつ原則的にその日のうち判決を下すという特別手続。簡易裁判所の紛争処理能力の強化のために,アメリカの少額裁判所をモデルとして,1996年制定の新民事訴訟法で導入(同法368条以下),1998年1月から実施。被告が望まないとき,もしくは職権で,通常手続に移行可能。上訴は制限され,また請求認容判決には必ず仮執行宣言がつけられる。この手続が実効的に機能するようになるためには,簡易裁判所裁判官と物的施設の量的質的拡充が必要であると指摘されている。
→関連項目民事訴訟法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「少額訴訟手続」の意味・わかりやすい解説

少額訴訟手続
しょうがくそしょうてつづき

民事訴訟のうち,支払い請求額が 60万円以下の事件について,簡易裁判所で原則 1回の審理で即日判決とする制度。1998年1月施行の改正民事訴訟法に導入され,2004年4月に請求額が 30万以下から変更された。民事訴訟を国民に利用しやすいものにするとともに,裁判の迅速化をはかったもの。同制度では,裁判所が被告に対して支払い猶予,3年をこえない範囲での分割払いなどを命ずることも可能である。

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