尾上多賀之丞(読み)おのえたがのじょう

改訂新版 世界大百科事典 「尾上多賀之丞」の意味・わかりやすい解説

尾上多賀之丞 (おのえたがのじょう)

歌舞伎俳優。3世が最も名高い。(1)初世 元禄期(1688-1704)の若女方で,この門葉から初世尾上菊五郎が出る。1690年(元禄3)に多賀之丞を名のった。(2)3世(1887-1978・明治20-昭和53) 本名樋口鬼三郎。4世浅尾工左衛門の甥。1891年四谷桐座で市川鬼三郎を名のり初舞台。1911年2世市川左団次の門弟となり,5世市川鬼丸(きがん)を襲名。21年6世尾上菊五郎に認められて市村座に移り,以後菊五郎の女房役をつとめる。27年6月新橋演舞場で多賀之丞を襲名。《仮名手本忠臣蔵》のおかや,《盲長屋梅加賀鳶》のお兼を名演。68年重要無形文化財(人間国宝)となる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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