尾上松助(初代)(読み)おのえ・まつすけ

朝日日本歴史人物事典 「尾上松助(初代)」の解説

尾上松助(初代)

没年:文化12.10.16(1815.11.16)
生年:延享4(1744)
江戸後期の歌舞伎役者。俳名三朝。大坂小芝居衣裳方の子として生まれた。幼時父と江戸に下り,初代尾上菊五郎の弟子となり尾上松助を名乗る。子役から若女形,さらに立役を経て実悪に進んだ。怪談物の早替わりを得意としていたが,文化1年(1804)の作者鶴屋南北との提携による「天竺徳兵衛韓噺」で怪談役者としての名声定まり,これから怪談芝居は夏という慣習ができた。怪談,実悪の重鎮として天竺徳兵衛,「加賀見山」の岩藤を最も得意としたが,細かい演技は不得意だった。音曲をよくし,鬘の改良にも貢献した。文化6年,66歳で養子栄三郎に2代目を譲ったが,尾上松緑の名でなお出勤し,72歳で没。2代目はのちの名優3代目尾上菊五郎,3代目はその長男が継いだが大成しなかった。<参考文献>伊原敏郎『近世日本演劇史』

(井草利夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「尾上松助(初代)」の解説

尾上松助(初代) おのえ-まつすけ

尾上松緑(おのえ-しょうろく)(初代)

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