尾上菊五郎(3世)(読み)おのえきくごろう[さんせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尾上菊五郎(3世)」の意味・わかりやすい解説

尾上菊五郎(3世)
おのえきくごろう[さんせい]

[生]天明4(1784)
[没]嘉永2(1849).江戸
歌舞伎俳優。屋号音羽屋。1世尾上松助の養子。前名2世松助。文化 12 (1815) 年3世襲名。立役女方も兼ねた。生世話物を得意とし,鶴屋南北怪談劇名声を得た。化政期の名優

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世界大百科事典(旧版)内の尾上菊五郎(3世)の言及

【尾上菊五郎】より

…その芸は15世羽左衛門と,実子の6世菊五郎がついだ。写真集にみごとな容姿が残っているほか,伊坂梅雪が筆記した《尾上菊五郎自伝》という好著がある。(6)6世(1885‐1949∥明治18‐昭和24) 5世の実子。…

【尾上松助】より

…(1)初世 初世尾上松緑の前名。(2)2世 3世尾上菊五郎の前名。(3)3世(1805‐51∥文化2‐嘉永4) 3世菊五郎の長男として江戸に生まれ,1815年(文化12)3世松助を襲名。…

【歌舞伎】より

…だが,南北の才能も,個性の強烈な実力派の役者たちがいてこそ花開いたものである。初世尾上松助(松緑),5世松本幸四郎,5世岩井半四郎,3世坂東三津五郎,7世市川団十郎,3世尾上菊五郎らの実力と個性をよく見きわめ,彼らの芸の魅力を十分に計算した上での作劇の成功が,南北を名作者たらしめたのである。南北の作品の中で,とくに〈色悪〉〈悪婆〉という新しい人間像の典型が確立したことも忘れられない。…

【東海道四谷怪談】より

…絵本番付によれば,初日は《忠臣蔵》の大序から六段目までと《四谷怪談》の序幕から三幕目隠亡堀の場まで,2日目はふたたび隠亡堀から始めて《忠臣蔵》の七,九,十段目になり,そのあとに《四谷怪談》四,五幕が続き,最後が《忠臣蔵》十一段目(討入)となっている。お岩・小平・与茂七を3世尾上菊五郎,伊右衛門を7世市川団十郎,直助を5世松本幸四郎。 (1)序幕(浅草境内の場,宅悦地獄宿の場,浅草裏田圃(たんぼ)の場) 高師直の家臣伊藤喜兵衛の孫娘お梅は民谷伊右衛門に恋慕している。…

【斧琴菊文】より

…謎染の新形浴衣(ゆかた)〉とあるように,文化年間(1804‐18)以降流行をみた。またのちにこの文様は尾上菊五郎の歌舞伎衣装にも採用された。おそらく1815年に襲名した3世菊五郎がその芸名の菊にちなみ,また当時流行していた市川団十郎の〈鎌輪奴(かまわぬ)文〉にはり合って取り入れたものと思われる。…

※「尾上菊五郎(3世)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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