尾長鶏(読み)オナガドリ

デジタル大辞泉 「尾長鶏」の意味・読み・例文・類語

おなが‐どり〔をなが‐〕【尾長鶏】

鶏の一品種。江戸末期に土佐高知県)で作り出された。雄の尾羽は抜け換わらずに伸び続け、8メートルを超すものもある。羽色白色褐色、白と黒のまじりなどがある。特別天然記念物長尾鶏ちょうびけい・ながおどり
[類語]にわとりとり雄鶏雌鳥ひよこ雛鳥若鶏地鶏長尾鶏チャボ軍鶏シャモ東天紅一番鶏ブロイラーコーチン白色レグホン

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改訂新版 世界大百科事典 「尾長鶏」の意味・わかりやすい解説

尾長鶏 (おながどり)
Japanese long-tailed fowl

ニワトリの一品種。長尾鶏(ちようびけい)/(ながおどり)ともいう。雄の蓑羽と尾羽の一部は換羽せず伸び続けて,尾羽は8m以上に達する。雌は普通のニワトリと変わらない。高知県の原産で,作出は江戸時代の明和年間(1764-72)で,この長い尾羽は土佐藩主の行列を飾る毛槍に用いられた。羽色は白,白藤色(雄の胸腹尾が黒色で他は白色,雌は淡褐色黒点散在),赤藤色の3型がある。とさかは単冠,耳朶(じだ)は白色,脚は白色種は黄色,他は鉛色を呈する。中型で体重は雄1.9kg,雌1.1kgぐらい。この長尾性は突然変異によって得られた遺伝的なものであるが,交配に用いると尾が抜け落ちてしまうので,繁殖には兄弟を供用する。近年,最初に生えた尾羽を抜きとって代りに生えてくるものを伸ばす方法や,止め箱という特殊な箱に飼うなどの管理技術の向上もあって,最長では12mに達する個体も作られている。1923年天然記念物,52年特別天然記念物に指定されている。
ニワトリ
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百科事典マイペディア 「尾長鶏」の意味・わかりやすい解説

尾長鶏【おながどり】

ニワトリの一品種で長尾鶏とも呼ばれる。高知県で作出。雄の尾羽は抜けかわらず,年々伸びて7m以上になるものもある。白藤,白色,褐色種などがある。特別天然記念物。
→関連項目ニワトリ(鶏)

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デジタル大辞泉プラス 「尾長鶏」の解説

尾長鶏

鶏の品種のひとつ。おもに高知県で飼育される。オスの尾羽が伸び続けるのが特徴で、長いものでは8メートルにもなる。国の特別天然記念物、かつ日本農林規格の指定在来種。「長尾鶏(ちょうびけい)」ともいう。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「尾長鶏」の解説

尾長鶏 (オナガドリ)

学名Gallus gallus var.domesticus
動物。キジ科の鳥,ニワトリの一品種

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世界大百科事典(旧版)内の尾長鶏の言及

【ニワトリ(鶏)】より


[観賞用種]
 雄鶏の時を告げる声を観賞する長鳴鶏としては,東天紅(とうてんこう)(イラスト),声良(こえよし),唐丸(とうまる)など,ひと声を20秒以上も引きのばす品種が作出されている。美しい姿態を楽しむ品種としては小国(しようこく),地鶏(じどり),尾曳(おひき),蓑曳(みのひき),黒柏(くろかしわ),鶉尾(うずらお),比内鶏(ひないどり)(イラスト),地頭鶏(じとつこ),烏骨鶏(うこつけい),チャボ(矮鶏)(イラスト)があるが,蓑羽と尾羽が換羽せずに伸びつづけ,8m以上に達する尾長鶏(イラスト)は世界的に有名である。闘鶏用の品種にはシャモ(軍鶏)(イラスト),薩摩鶏(さつまどり),河内奴(かわちやつこ)がある。…

※「尾長鶏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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