精選版 日本国語大辞典 「屈伸制限制度」の意味・読み・例文・類語
くっしんせいげん‐せいど【屈伸制限制度】
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発券制度の一形態。銀行券の発行について一定の限度額を設定するが、経済の必要に応じて、制限外発行税の納付などを条件として、一時的に制限外発行を認める制度である。この制度には次の2種類がある。
(1)保証準備発行屈伸制限制度 正貨準備による発行のほかに、有価証券、商業手形などの保証準備による発行については限度額を設けて認め、さらに限度額を超える制限外発行も一時的に認める制度。1888年(明治21)から1941年(昭和16)までの日本や、1928年以降のイギリスが採用している。
(2)最高発行額屈伸制限制度 正貨準備と保証準備とを区別せずに最高発行額を設け、制限外発行を一時的に認める制度。1941年から日本でも採用されていたが、1998年(平成10)4月に廃止された。
屈伸制限制度は制限外発行を認めることで発券限度額に弾力性をもつが、制限外発行が常態化して、設定された限度額が無意味になる危険性がある。
[安田原三]
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