屋台囃子(読み)ヤタイバヤシ

デジタル大辞泉 「屋台囃子」の意味・読み・例文・類語

やたい‐ばやし【屋台×囃子】

祭礼で、屋台をひくときなどに用いる囃子多くは、囃子方が屋台に乗って演奏する。馬鹿囃子。
歌舞伎下座音楽の一。1を取り入れたもの。祭礼の場面または世話物立ち回りなどに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「屋台囃子」の意味・読み・例文・類語

やたい‐ばやし【屋台囃子】

〘名〙
① 祭礼で屋台をひく時に打ちはやす囃子。多く屋台の中に囃子方がいて演奏する。地方によって、だんじり囃子・お山囃子・祇園囃子天神囃子などと呼ぶ。
洒落本・三千之紙屑(1801)初「小楼の家台噺子(ヤタイハヤシ)は三弦の屋根舟を驚かし」
② 歌舞伎下座音楽の一つ。祭礼の屋台囃子を取り入れたもので、祭礼または世話場の立回りなどに用いる。楽器太鼓大太鼓竹笛、当たり鉦。
※歌舞伎・謎帯一寸徳兵衛(1811)大切「屋台囃子(ヤタイバヤシ)佃節にて幕明く」

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世界大百科事典(旧版)内の屋台囃子の言及

【囃子】より


[民俗芸能]
 囃子は狭義には楽器主体の演奏をいうが,民俗芸能では,祭場で神の来臨を乞い,土地・人の繁栄を祝う文句を太鼓をたたきながら唱和することを〈しきばやし〉〈うちはやし〉(愛知県北設楽(きたしたら)郡の花祭)などと呼ぶ例があり,ことばや楽器の力で,神霊を発動させ,ものの生命力の強化・伸張をはかろうとする呪的意図があったとみられる。生(は)やす,殖(ふ)やすなどの語との関連が思われるが,各地の祭りでは,祭場での神迎え・神がかりのわざの伴奏や,神霊の渡御に奏する道行の囃子として発達し,前者では採物神楽(とりものかぐら),湯立神楽,獅子神楽などさまざまの神楽囃子となり,後者では美々しい装束の集団がにぎやかな囃子で道を練る松囃子や鷺舞(さぎまい)などの道中囃子や,山車(だし),屋台に楽器をのせて,それを奏しながら道を練る祇園囃子などの屋台囃子などに分化した。またほかに,祭場での歌舞や盆踊に演奏する踊り囃子や,田植の作業を笛・太鼓などではやしたてる囃子田などが伝えられた。…

※「屋台囃子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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