屋台(読み)ヤタイ

デジタル大辞泉 「屋台」の意味・読み・例文・類語

や‐たい【屋台/屋体】

道路・広場などで立ち売り商売をするための台を設けた、屋根付きの小さな店。台車をつけたり、自動車を改造したりして移動できるものもいう。屋台店床店とこみせ
祭礼のときなどに、飾り物をしたり、踊り手囃子方はやしかたをのせたりして練り歩く、小屋形の台。もと御神体を祭って持ち運ぶためのもの。山車だし。練り物。檀尻だんじり。「踊り―」
能・歌舞伎などで、宮殿社寺家屋として舞台上にしつらえる作り物や大道具
家・店のつくり。また、家をののしっていう語。
「これの―が三浦屋と申すべいか」〈伎・伊達競阿国戯場
[類語](1露店夜店売店スタンド

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「屋台」の意味・わかりやすい解説

屋台 (やたい)

(1)屋形のついた移動できる台で,祭礼や民俗芸能の引きもの,能の作り物,歌舞伎の大道具などの名称。屋体とも書く。祭礼の引きものには山車(だし),山,鉾(ほこ),地車(だんじり)等があり,これらを総称して屋台ともいう。山車や山,鉾には来臨する神の目印として柱を高くかかげるといい,地車の類には屋形だけで柱がない。民俗芸能では,屋形のついた車に舞台風のものを作り,踊り手や囃子方がその上に乗って歌舞や芝居などを演じる。とくに手踊を中心とするものを踊屋台といい,囃子方が祭囃子などを奏するものに囃子屋台がある。また長野県飯田地方には獅子の胴幕の中に囃子方が入る獅子屋台がある。能の作り物の屋台は宮(みや)ともいい,《邯鄲(かんたん)》《鶴亀》《西王母》などの宮殿として用いられる。
執筆者:(2)〈屋台〉による街頭での商売については〈物売〉の項を参照されたい。

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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