山口剛(読み)やまぐちたけし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山口剛」の意味・わかりやすい解説

山口剛
やまぐちたけし
(1884―1932)

文学者。茨城県土浦に生まれ、早稲田(わせだ)大学高等師範部卒業。早稲田大学教授。それまで啓蒙(けいもう)的・概論的研究にとどまっていた近世文学の研究を、学問の名に値するまでに高めた学者で、1922年(大正11)3月に『早稲田文学』に発表した「好色一代男の成立」以後、西鶴(さいかく)文学の研究をリードするとともに、近世文学全般にわたって多数の論文を発表した。その全業績は『山口剛著作集』全6巻(1972・中央公論社)にほぼ尽くされているが、没後40年にして全集が刊行されたところに、その偉大さを知ることができる。

[神保五彌]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山口剛」の解説

山口剛 やまぐち-たけし

1884-1932 大正-昭和時代前期の国文学者。
明治17年3月1日生まれ。大正13年母校早大の教授となる。近世文学研究の基礎をきずき,井原西鶴,近松門左衛門の研究で知られた。中国文学翻訳書もある。昭和7年10月8日死去。49歳。茨城県出身。著作に「西鶴・成美・一茶」「江戸文学研究」など。

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