山岡頭巾(読み)ヤマオカズキン

デジタル大辞泉 「山岡頭巾」の意味・読み・例文・類語

やまおか‐ずきん〔やまをかヅキン〕【山岡頭巾】

苧屑ほくそ頭巾」に同じ。
長方形の布を二つ折りにしてかぶり、後頭部のところを縫い合わせ、肩にかかるところにあきを作った頭巾。黒・茶などの八丈絹ビロードで仕立てて、主に武士が用いた。三角形まちを入れたものや小鉤こはぜ掛けのものもあった。のちの防空頭巾はこれに綿を入れたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「山岡頭巾」の意味・読み・例文・類語

やまおか‐ずきん やまをかヅキン【山岡頭巾】

〘名〙 樵(きこり)猟師などがかぶる苧屑(おぐそ)でつくった頭巾。後には、八丈絹やビロードまたは藺(い)でもつくった。苧屑頭巾山岡
浄瑠璃・京羽二重娘気質(1764)七「人も子の刻丑満の時を窺ふ夜働き〈略〉難無く這入山岡頭巾、面は真黒鍋炭の」

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世界大百科事典(旧版)内の山岡頭巾の言及

【被り物】より

…第4に片袖形の,頭部から肩をおおう頭巾。山岡頭巾と呼ばれる火事場や旅行用のもので,第2次大戦中の防空頭巾がこれである。江戸の武士はもっぱらこれを愛用した。…

【頭巾】より

…織田信長がこれを用いていたが,鷹匠も使ったという。このほか,江戸時代の武士がもっぱらかぶった山岡頭巾というものがある。これは同形の頭巾の後ろに大きな襠(まち)を入れてかぶりやすくし,顔側の左右に取り付けたひもを結んで着用した。…

※「山岡頭巾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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