山川漬(読み)ヤマガワヅケ

デジタル大辞泉 「山川漬」の意味・読み・例文・類語

やまがわ‐づけ〔やまがは‐〕【山川漬(け)】

干した大根塩漬けにし、発酵させた漬物。鹿児島県指宿市山川地区の名産薩摩焼つぼに漬けるところから壺漬けともいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

事典 日本の地域ブランド・名産品 「山川漬」の解説

山川漬[加工食品]
やまかわづけ

九州・沖縄地方、鹿児島県の地域ブランド。
主に指宿市山川地区で製造されている。山川漬は500年の歴史を持つ大根の漬物。豊臣秀吉の朝鮮出兵時にも山川港で船積みされたといわれる。まず、秋から冬に育った大根を、厳寒の時期に畑にやぐらを組んで泥つきのまま干し冷たい風にさらす。その後、水分の抜けた大根を軽く洗い天日干ししたのち塩をかけ大きな甕に漬け込んで半年ほど自然発酵させる。風味歯切れ・光沢のよい漬物。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

世界大百科事典(旧版)内の山川漬の言及

【漬物】より

…水産物ではサッパを調味酢で漬けたものが,岡山名産の〈ままかり〉である。(7)九州 佐賀県の松浦(まつら)漬とがん漬,鹿児島県の薩摩漬と山川漬がよく知られている。松浦漬はかぶら骨と呼ぶクジラの軟骨のかす漬,がん漬は有明海産の小ガニを甲のままつきつぶし,塩,トウガラシを加えて貯蔵したもの,薩摩漬は桜島ダイコンを輪切りにしてかす漬にしたもの,山川漬は薩摩半島南端山川町周辺の火山灰台地に産するダイコンを長期間干し,海水で洗って臼でつき砕き,塩もみをして大きなつぼに半年間も密封貯蔵してつくる。…

※「山川漬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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