山本新太夫(読み)やまもと・しんだゆう

朝日日本歴史人物事典 「山本新太夫」の解説

山本新太夫

没年天保12.4.13(1841.6.2)
生年明和3(1766)
江戸後期の篤農家阿波国(徳島県)三好郡三野郷芝生村生まれ。芝生村庄屋助役を務め,一時太刀野村庄屋を兼帯した。芝生村は吉野川中流域の左岸で,北に竜王山をひかえる丘陵地のため水利に苦しんだ。文化3(1806)年の大旱魃後,新太夫は芝生村庄屋の平尾平兵衛,平尾三郎右衛門などの協力をえて,河内谷川の水を引く開削工事を始め,文政10(1827)年芝生・勢力・加茂野の3村を貫通する風呂谷用水を完成し,百七十余町の田畑をうるおした。藩儒新居水竹による用水碑(1861)が残る。<参考文献>『三好郡志

(石躍胤央)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山本新太夫」の解説

山本新太夫 やまもと-しんだゆう

1766-1841 江戸時代後期の治水家。
明和3年生まれ。阿波(あわ)(徳島県)三好郡芝生(しぼう)村の庄屋助役。庄屋平尾家の協力をえて,文政10年風呂谷用水を完成させ,吉野川中流左岸の3村約170haの田畑をうるおした。天保(てんぽう)12年4月13日死去。76歳。

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