山様(読み)ヤマサン

デジタル大辞泉 「山様」の意味・読み・例文・類語

やま‐さん【山様】

江戸下谷したや品川遊里で、上野寛永寺や芝の増上寺坊主客のこと。
「―といふは品川初会なり」〈柳多留・八〉
山出しの侍の意から》江戸の遊里で田舎侍の客のこと。
「侍客の―なら、ぬける手管てくだもあるまいがな」〈伎・四谷怪談

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精選版 日本国語大辞典 「山様」の意味・読み・例文・類語

やま‐さん【山様】

〘名〙 (「さん」は接尾語)
① 江戸時代、遊里で坊主客をいう語。
(イ) 江戸品川の遊里で、芝増上寺(ぞうじょうじ)の坊主客をいう。
※雑俳・末摘花(1776‐1801)初「山さんといふは品川初会なり」
(ロ) 江戸、上野山下の遊里で、坊主をいう。
洒落本・山下珍作(1782)雲水客「雲水客(ヤマサン)もへぎのぱっち、下にぐんないじまの小そで」
② (山の手に住んでいる者の意から) 江戸時代、遊里で武士の客をいう語。
※洒落本・婦身嘘(1820)「大一座の武士(ヤマサン)あれば、また、姿をかへたる色夫有」

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