日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡山巌」の意味・わかりやすい解説
岡山巌
おかやまいわお
(1894―1969)
歌人。広島市生まれ。東京帝国大学医学部卒業。内科医師。尾上柴舟(おのえさいしゅう)に師事し、1916年(大正5)に『水甕(みずがめ)』同人。31年(昭和6)4月に歌誌『歌と観照』を創刊し、人間と文学との相互創造を目標に掲げる。36年に歌集『思想と感情』、38年に『帝都の情熱』を刊行。その6月に発表された論文「歌壇の旧派化を救へ」は、現代の素材と表現を求めたもので、生き生きとした人間の存在を訴え、大きな反響がある。代表的な評論集は38年の『現代短歌論』。71年(昭和46)に遺歌集『体質』が刊行された。
[篠 弘]
大いなるロダンは手のみ彫(ほ)りたれど生き生きとして全体を見す
『『岡山巌全歌集』(1980・短歌新聞社)』