岡引(読み)おかっぴき

精選版 日本国語大辞典 「岡引」の意味・読み・例文・類語

おかっ‐ぴき をかっ‥【岡引】

〘名〙 近世町奉行所の同心に私的に抱えられて、犯罪人の探索逮捕の役に当たったもの。目明かし。おかひき。
※禁令考‐前集・第三・巻二八・宝暦九年(1759)一一月二七日「岡引と申候は、〈略〉其者之罪を免し、外科人を召捕候」
[補注]「おか」は傍(そば)の意で、そばに居て手引きする者の意とも、また、「おか」は仮(かり)の意で、同心の犯人逮捕を「本引き」というのに対して、同心に代わって仮に逮捕する者の意ともいう。

おか‐びき をか‥【岡引】

〘名〙 旅行、または外出の際に衣類などを入れた、竹製の、ふたのない器。
随筆・孔雀楼筆記(1768)四「仲間は岡引(ヲカビキ)とて竹にて挟箱(はさみばこ)のごとくにてふたなきものをくみたるを荷(にな)ひゆく」

おか‐びき をか‥【岡引】

〘名〙 山口県大島のイワシの地引き網漁で、船の乗員である出引きに対し、陸上にいて網を引く者。〔分類漁村語彙(1938)〕

おか‐ひき をか‥【岡引】

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改訂新版 世界大百科事典 「岡引」の意味・わかりやすい解説

岡引 (おかっぴき)

目明し(めあかし)

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百科事典マイペディア 「岡引」の意味・わかりやすい解説

岡引【おかっぴき】

目明し

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岡引」の意味・わかりやすい解説

岡引
おかっぴき

目明」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の岡引の言及

【目明し】より

…江戸時代に諸役人の手先になって,私的に犯罪の探査,犯罪者の逮捕を助けたもの。岡引(おかつぴき),御用聞,小者,手先ともいう。目明しとは目証(めあかし)の意味で,犯罪者に同類たる共犯者を密告させ,その犯罪を証明させたことに由来する。…

※「岡引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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