岡村十兵衛(読み)おかむら・じゅうべえ

朝日日本歴史人物事典 「岡村十兵衛」の解説

岡村十兵衛

没年貞享1.7.19(1684.8.29)
生年:寛永5(1628)
江戸前期高知藩の下級藩士。名は輔之,土佐郡布師田村(高知市)の出身。材木方下役,分一奉行(徴税官)を務め,材木の搬出などに手腕を発揮した。天和3(1683)年,木材,薪を上方に出荷して,その売上金で住民困窮を救い,また貞享1(1684)年藩の許可なく蔵を開いて窮民に米を支給し,救済を図ったことにより咎めを受け,自殺した。義人と称された人物

(長谷川成一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡村十兵衛」の解説

岡村十兵衛 おかむら-じゅうべえ

1628-1684 江戸時代前期の武士
寛永5年生まれ。土佐高知藩士。慶長20年安芸(あき)郡羽根浦(室戸市)の分一役(ぶいちゃく)(税吏)に着任。延宝年間の凶作,洪水で困窮した村民の救済にあたる。貞享(じょうきょう)元年飢饉(ききん)では,独断で藩倉をひらき,飢民に米をあたえたため,藩命で謹慎,同年7月19日自刃(じじん)した。57歳。名は輔之。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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