岩出(読み)イワデ

デジタル大辞泉 「岩出」の意味・読み・例文・類語

いわで〔いはで〕【岩出】

和歌山県北部にある市。平成18年(2006)4月市制。大阪市のベッドタウン化が進む。人口5.3万人(2010)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「岩出」の意味・わかりやすい解説

岩出[市] (いわで)

和歌山県北端の市。2006年4月市制。人口5万2882(2010)。北は大阪府,西から南は和歌山市に接する。紀ノ川下流域に位置し,南半は和歌山平野の沖積低地が,北半は和泉山脈山地が占める。古くから開けた地で,船戸に6世紀築造の船戸山古墳群があり,西国分には白鳳~奈良時代の寺院跡西国分廃寺跡(塔跡は史跡)がある。平安末期には町の北部の石手(いわで)荘に新義真言宗の開祖覚鑁(かくばん)が根来(ねごろ)寺を開き,室町~戦国末期にかけて根来衆が射撃や鍛冶の技術に優れた武装集団として活躍した。かつては大和街道の渡河点に当たり,紀ノ川北岸の岩出と南岸の船戸は対向渡津集落をなした。古くからの穀倉地帯であるが,現在はカーネーション,野菜栽培などの都市近郊農業が盛んで,和歌山市や大阪府下のベッドタウン化も進み,1965-80年の間に人口が倍増した。JR和歌山線,国道24号線が通る。北東部は紀仙郷県立自然公園の指定区域で,根来寺の庭園は国の名勝,多宝塔は国宝に指定され,1706年(宝永3)に建てられた大庄屋の住宅増田家住宅は重要文化財。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android