岸沢式佐(5世)
きしざわしきさ[ごせい]
[生]文化3(1806)
[没]慶応2(1866).12.19.
常磐津節の三味線方,岸沢派の家元。4世岸沢式佐の子。前名仲助。文政8 (1825) 年襲名。嘉永6 (53) 年4世古式部襲名。万延1 (60) 年2世常磐津豊後大掾と不和。岸沢派として独立,太夫を養成して常磐津家元と対抗。元治1 (64) 年竹遊斎と号す。作曲の名手。『三人生酔』『乗合船』『将門』『三世相』『山姥』『角兵衛』など常磐津節名曲の大半を作曲した。
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世界大百科事典(旧版)内の岸沢式佐(5世)の言及
【三人生酔】より
…1838年(天保9)正月,2世市川九蔵(のちの6世団蔵),12世市村羽左衛門ほかにより江戸市村座で初演。[中村重助]作詞,5世[岸沢式佐]作曲,4世西川扇蔵振付。3人の仕丁が工藤の館の奥庭で酒を酌み交わし,笑い上戸,怒り上戸,泣き上戸の踊りとなる。…
【年増】より
…作詞3世[桜田治助]。作曲5世[岸沢式佐]。振付2世[藤間勘十郎]。…
【どんつく】より
…作詞3世[桜田治助]。作曲5世[岸沢式佐]。振付西川巳之助。…
【乗合船】より
…作詞3世[桜田治助]。作曲5世[岸沢式佐]。振付西川七郎次,西川巳之助(5世[西川扇蔵]),西川芳次郎,花川蝶十郎。…
【俳諧師】より
…作詞3世[桜田治助]。作曲5世[岸沢式佐]。振付2世[藤間勘十郎]。…
【将門】より
…1836年(天保7)7月江戸市村座一番目狂言《世善知鳥相馬旧殿(よにうとうそうまのふるごしよ)》の六建目大詰に初演。作詞宝田寿助,作曲5世[岸沢式佐],振付4世[西川扇蔵]。傾城如月(きさらぎ)実は平将門の娘滝夜叉姫を市川九蔵,源頼信の臣大宅太郎光圀を12世市村羽左衛門が演じた。…
【宗清】より
…作詞奈河本助。作曲5世[岸沢式佐]。振付4世[西川扇蔵]。…
【山姥】より
…現行の山姥物の様式が決定したのは,85年(天明5)初世[瀬川如皐]作詞,初世[鳥羽屋里長]作曲の常磐津《四天王大江山入》(古山姥)である。現在多く上演されるのは,俗に〈新山姥〉といわれる常磐津《薪荷雪間(たきぎおうゆきま)の市川》で,[三升屋二三治](みますやにそうじ)作詞,5世[岸沢式佐]作曲,8世市川団十郎の山姥,4世坂東彦三郎の山樵,市川小団次の怪童丸により,1848年(嘉永1)江戸河原崎座初演。ほかに富本《母育雪間鶯》(三津五郎山姥),清元《月花茲友鳥(つきとはなここにともどり)》(山姥)などがある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」