峩朗鉱山(読み)がろうこうざん

日本歴史地名大系 「峩朗鉱山」の解説

峩朗鉱山
がろうこうざん

上磯町のほぼ中央部を流れる宗山そうやま川の上流河口から約七キロの地点、ガロウの沢の谷間にある鉱山。石灰石・ドロマイトを産出。北海道の石灰石埋蔵量の約六〇パーセントを占めるという鉱床を有する。鉱石は黒色緻密で酸化カルシウムを五四パーセント以上含み、鉱床は古生代または中生代に属するドーム状成層鉱床で、きわめて良質な石灰石が採掘される。

明治二二年(一八八九)高橋文之助が発見、試掘権を譲り受けた北海道セメント株式会社(現太平洋セメント)が同二三年四月本社・工場を設立した(発起人函館区吉川泰治郎、資本金二〇万円)。工場は鉱山に接し海運に便利な谷好たによし村の地を選び、ドイツ人ホフマン設計による日本最初のホフマン式輪窯一基を据付けた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「峩朗鉱山」の意味・わかりやすい解説

峩朗鉱山
がろうこうざん

北海道北斗市峩朗にある太平洋セメントの石灰石鉱山。 1890年セメント原料として北海道セメント会社によって開発され,1915年浅野セメントに移り,1948年日本セメント上磯工場直営となる。地質は古生代または中生代に属する成層をなし,多数の断層で切られ複雑な構造をなしている。石灰石は黒色緻密で,層理面に薄い頁岩をはさむことがある。品位 (酸化カルシウム) 53%以上。石灰石下部には水平層状のドロマイト鉱床がある。初めはグローリー=ホール法によって露天掘りをしていたが,1957年から階段採掘法に切り替えた。採掘された石灰石は粉砕してから長距離ベルトコンベヤでセメント工場へ供給されている。

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