(読み)あがめる

精選版 日本国語大辞典 「崇」の意味・読み・例文・類語

あが・める【崇】

〘他マ下一〙 あが・む 〘他マ下二〙
① 尊いものとして扱う。尊敬する。敬う。
書紀(720)皇極三年正月(岩崎本訓)「敬(ゐや)び重(アカメ)たまふこと、特(こと)に異(け)なり」
※大鏡(12C前)三「この宮には仏法をさへあがめ給て」
② 寵愛する。だいじに扱う。大切にする。
※書紀(720)舒明即位前(北野本訓)「故に、汝(いまし)本より朕が心腹(こころ)(た)り。愛寵(めぐみアガムル)情、比(たぐひ)を為(す)べからず」
③ 言葉を、目上の人に対して用いるのにふさわしい、ていねいな言い方にする。
※天草本伊曾保(1593)山と杣人の事「『ヲノノエヲ イッポンクダサレバ イチゴノゴヲント ゾンジョウズル』ト コトバヲ agame(アガメ)

かた・つ【崇】

[1] 〘他タ四〙 あがめ尊ぶ。
※書紀(720)敏達一三年九月(前田本訓)「馬子独り仏の法(みのり)に依りて、三の尼を崇(カタチ)(ゐや)ぶ」
[2] 〘他タ下二〙
① 一方的に気持を寄せる。
※書紀(720)欽明二三年六月(寛文版訓)「新羅要害(ぬま)の地を授け、新羅を非次(こえた)る栄(はかりこと)に崇(カタテ)たまひき」
② (一)に同じ。
※書紀(720)崇神即位前(北野本訓)「神祇(あまつかみくにつかみ)を崇(カタテ)(あか)む」

あがま・える あがまへる【崇】

〘他ハ下一〙 あがま・ふ 〘他ハ下二〙 =あがめる(崇)
説経節・説経さんせう太夫(佐渡七太夫正本)(1656)下「なかなか都のこくしあかまへ申と申ける」

あがま・う あがまふ【崇】

〘他ハ下二〙 ⇒あがまえる(崇)

あが・む【崇】

〘他マ下二〙 ⇒あがめる(崇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「崇」の意味・読み・例文・類語

すう【崇】[漢字項目]

常用漢字] [音]スウ(慣) [訓]あがめる
気高い。「崇高
尊ぶ。あがめる。「崇敬崇信崇拝尊崇
[名のり]かた・し・たか・たかし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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