川俣事件(読み)かわまたじけん

世界大百科事典(旧版)内の川俣事件の言及

【足尾鉱毒事件】より

…被害民は町村費国庫補助,免租継年期,憲法による生命保護,被害地復旧など多様な請願運動を展開したが,大部分は郡や県段階で却下された。
[谷中村の滅亡]
 被害民は1900年2月第4回目の〈押出し〉を決行し,利根川北岸の川俣で警官隊の大弾圧を受けた(川俣事件)。68名が兇徒聚集罪などで予審に付され,うち51名が起訴された。…

【鉱害】より

… 最初の大規模な対決となった足尾銅山における足尾鉱毒事件は,1890年の渡良瀬川の大洪水で銅製錬後の鉱滓が大量に流出したことによって顕著となった農作物などの被害をめぐるものであり,農民側は〈押出し〉と呼ばれた大挙上京請願戦術などをとった。しかし,1900年2月,押出しの途中で農民の指導者が多数逮捕されるという川俣事件が起こり,農民の声は押さえ込まれてしまった。栃木県選出の衆議院議員田中正造は01年に議員を辞し,明治天皇の馬車に鉱業停止を訴えた直訴状をかかげて駆けより,このできごとと川俣事件によって足尾鉱毒事件は一大社会問題となった。…

※「川俣事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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