川俣絹(読み)カワマタギヌ

デジタル大辞泉 「川俣絹」の意味・読み・例文・類語

かわまた‐ぎぬ〔かはまた‐〕【川×俣絹】

福島県川俣地方で産する絹織物片羽二重など。

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精選版 日本国語大辞典 「川俣絹」の意味・読み・例文・類語

かわまた‐きぬ かはまた‥【川俣絹】

〘名〙 福島県川俣町付近から産する生糸、絹織物。安達絹、楯(たて)の絹と呼ばれ、近世、生糸は登(のぼ)せ糸として西陣織材料とされた。糸好絹(いとよしぎぬ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「川俣絹」の意味・わかりやすい解説

川俣絹
かわまたきぬ

福島県伊達(だて)市付近一帯で織られる絹織物の総称。主として輸出用の広幅羽二重(ひろはばはぶたえ)を織ってきたが、人絹の広幅ものも加わった。『吾妻鏡(あづまかがみ)』に安達(あだち)絹とみえ、この地域は中世から絹産地として知られ、近世には京都・西陣へ登(のぼ)せ糸として生糸が送られたが、地絹の本格的生産は文化・文政(ぶんかぶんせい)(1804~30)期からで、幕末の弘化(こうか)・安政(あんせい)(1844~60)期には年間6万反にまで達した。また昭和期までは、福島における養蚕製糸とともに、川俣羽二重の産地としてその名をはせた。現在も10月に伊達郡川俣町において「川俣絹市」が開かれている。

[角山幸洋]

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