朝日日本歴史人物事典 「川崎芳太郎」の解説
川崎芳太郎
生年:明治2.1.7(1869.2.17)
明治大正期の実業家。本名は鬼塚芳太郎で川崎造船所創設者川崎正蔵 の甥。鹿児島で生まれ,明治19(1886)年に神戸の川崎造船所の事務員になり,米国のイーストマン商業学校に留学したのち,25年に正蔵の養嗣子となった。29年に株式会社川崎造船所が発足すると副社長に就任,温厚な性格で松方幸次郎社長を助けた。大正8(1919)年に川崎汽船,国際汽船,大福海上の各社長に就任し,男爵を授けられた。「予が一代は堪忍を以て一貫の主義となすべし」という言葉に,養嗣子としての芳太郎の生き方がよく表れている。<参考文献>岩崎虔『川崎芳太郎』
(三島康雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報