巨核球(読み)キョカクキュウ

デジタル大辞泉 「巨核球」の意味・読み・例文・類語

きょかく‐きゅう〔‐キウ〕【巨核球】

骨髄中にみられる、血小板を産生する細胞。直径40~100マイクロメートルと、骨髄中の細胞の中で最大。不定型の核をもち、成熟すると多数顆粒小胞があらわれ、分離膜が形成される。無核の血小板は、巨核球の細胞質が分離膜によって分断されることで作られる。一つの巨核球から直径数マイクロメートルの血小板が2000~7000個放出される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「巨核球」の意味・わかりやすい解説

巨核球
きょかくきゅう

骨髄に存在する細胞で、血小板を形成する。径40~150マイクロメートルの巨大細胞で、未熟な巨核芽球とよぶ幹細胞の核だけが分裂し、複雑な分葉巨大核をもった巨核球になる。この巨核球の細胞形質中に二重膜がつくられ、これが網状に広がり、互いにつながって細胞質を細かく区分する。この区分されたものが血小板となる。

[嶋井和世]

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栄養・生化学辞典 「巨核球」の解説

巨核球

 骨髄にある大型の細胞で,血小板を産出する.

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世界大百科事典(旧版)内の巨核球の言及

【血小板】より

…血液中の血球の一つで,顕微鏡下でごみのように見える小体。直径1~3μmで,骨髄内の巨核球と呼ばれる母細胞の細胞質がちぎれて血液中に出現したものである。正常では,血液1mm3当りおよそ15万~30万個存在し,循環血中での寿命は約10日である。…

※「巨核球」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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