差口(読み)さしぐち

精選版 日本国語大辞典 「差口」の意味・読み・例文・類語

さし‐ぐち【差口】

〘名〙 (「さしくち」とも)
① その人と名を差して申し入れることば。内通して告げること。つげ口。密告
※御仕置書‐三「慥成差口有之候得共、白状不仕者」
随筆・当世武野俗談(1757)冬瓜仁右衛門「松平帯刀殿盗賊奉行の節いかが差口や有けん」
※京童(1658)五「いはやにいりぬれば、さしくちに一すぢのたきあり」
物事の一番初め。出だし。冒頭
※土井本周易抄(1477)三「无妄さしくちにいた程に、なにもよいぞ」
※かた言(1650)二「その書物のさし口に、そもそもと書出すは」
④ 木の横の面に、他の木を取りつけるため掘った穴の位置。枘穴(ほぞあな)仕口

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デジタル大辞泉 「差口」の意味・読み・例文・類語

さし‐ぐち【差(し)口/指(し)口】

《「さしくち」とも》
材木横面にほった、ほぞを差し込むための穴。枘穴。
密告。告げ口
「いかが―やありけん」〈当世武野俗談〉
入り口。出入り口。
「ここは東海道の―にて」〈浮・妾気質〉
物事のいちばん初め。冒頭。
「その書物の―に、そもそもと書き出すは」〈かたこと

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