差扇(読み)さしおうぎ

精選版 日本国語大辞典 「差扇」の意味・読み・例文・類語

さし‐おうぎ ‥あふぎ【差扇】

〘名〙
① 扇を顔の前にかざすこと。また、その扇。
弁内侍(1278頃)建長元年一一月「さしあふぎして立ち給ひたりし御ことがら」
儀式などの時、女官がかざして顔をかくす檜扇(ひおうぎ)
延喜式(927)五「刺扇一枚」
※新撰六帖(1244頃)五「面影を半ばかくせるさし扇さても光ぞそふ心地する〈藤原信実〉」
能楽の舞の型の一つ。左、右と二足後退しながら、扇を右側から大きく上げ、目の前に物をさすように水平に出す型。
浄瑠璃・本朝三国志(1719)三「上松太夫がさしあふぎ、春日太夫が引あふぎ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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