市の芝居(読み)いちのしばい

世界大百科事典(旧版)内の市の芝居の言及

【ルサージュ】より

…そしてベレス・デ・ゲバラの悪漢小説《跛(びつこ)の悪魔》の翻訳という触れ込みで,実は原作を自由に換骨奪胎した同名の作品で一躍文名を高めた。小説ばかりではなく,劇作にも手を染め,パリの〈市(いち)の芝居Théâtre de la Foire〉(コメディ・フランセーズなど官立の劇団に対抗して,定期市の立つ場所に小屋掛けした民衆的な芝居)のために,コメディア・デラルテ風の《クリスパン,主人と恋の立て引き》,あるいは一段と写実色の強い《テュルカレ》といった喜劇を作り,上昇期の民衆の悪知恵を描き出した。しかしルサージュの代表作は,なんといっても《ジル・ブラース物語》で,何事にもめげぬ旺盛な活力を示す楽天主義者ジル・ブラースが,波乱万丈の冒険を経てついには立身出世するという,悪漢小説とは似て非なる,教養小説的要素さえ含んだ,近代フランス写実小説最初の傑作である。…

※「市の芝居」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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