市民法[古代](読み)しみんほう[こだい](英語表記)ius civile

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市民法[古代]」の意味・わかりやすい解説

市民法[古代]
しみんほう[こだい]
ius civile

語源的には,ある一定国家あるいはある一定の市民に特有の法で,その市民にだけ適用される法を意味するが,一般的にはローマと関連してローマ市民に特有な法 ius civile proprium Romanorumをさす。古くは ius Quiritiumと呼ばれた。パピニアヌス定義によれば,「市民法とは法律,平民会議決,元老院議決 SC,勅法,学者学説から成る法」である。共和制期の法学者にとって,市民法とは市民と市民との相互関係を適用の対象とする市民間の法,すなわち私法と観念された。市民法は,法成立の形式の観点から名誉官法 (法務官法) と,法の人的適用範囲の観点から万民法と対立する。

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