帝都高速度交通営団(読み)テイトコウソクドコウツウエイダン

デジタル大辞泉 「帝都高速度交通営団」の意味・読み・例文・類語

ていとこうそくどこうつう‐えいだん〔テイトカウソクドカウツウ‐〕【帝都高速度交通営団】

東京都およびその周辺における地下鉄建設運営にあたった公法人昭和16年(1941)設立。平成16年(2004)4月東京地下鉄株式会社東京メトロ)に改組民営化

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精選版 日本国語大辞典 「帝都高速度交通営団」の意味・読み・例文・類語

ていとこうそくどこうつう‐えいだん テイトカウソクドカウツウ‥【帝都高速度交通営団】

東京都の区の存在する地域およびその付近における地下高速鉄道を経営する公法人。昭和一六年(一九四一)帝都高速度交通営団法による特殊法人として設立された。営団。平成一六年(二〇〇四)民営化され、東京地下鉄株式会社(東京メトロ)となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「帝都高速度交通営団」の意味・わかりやすい解説

帝都高速度交通営団
ていとこうそくどこうつうえいだん

東京とその周辺における地下鉄の建設と運営にあたった公法人。通称営団地下鉄。英語表記Teito Rapid Transit Authority。1941年(昭和16)従来の民間地下鉄会社間の競争に伴う混乱を統制し、東京における地下鉄の拡充を図る目的で、政府、東京市、私鉄各社の出資による特殊法人として設立。東京地下鉄道(株)と東京高速鉄道(株)の路線をあわせた浅草―渋谷間(現、銀座線)14.3キロメートルをもって業務を開始したが、新線の建設は戦争のため中断。第二次世界大戦後、その公共性から唯一の存続営団として認められ、1951年(昭和26)民間資本を排除して公法人となり、アメリカ対日見返援助資金や資金運用部資金を借り入れて新線の拡充に着手。1954年に丸ノ内線池袋―御茶ノ水間を開通したのを皮切りに、1961年日比谷(ひびや)線、1966年東西線、1969年千代田線、1974年有楽町線、1978年半蔵門線、1991年(平成3)南北線と相次いで開通。2004年(平成16)3月末時点の営業キロは183.2キロメートル、保有車両2515、輸送人員1日平均559万人、資本金581億円(政府出資310億円、東京都出資270億円)、職員数9369人。ビル事業、サービス事業などの関連事業も行った。なお、2004年4月に民営化され、東京地下鉄株式会社(通称は東京メトロ)となった。

[中村清司]

『帝都高速度交通営団編・刊『昭和を走った地下鉄』(1977)』『帝都高速度交通営団編・刊『営団地下鉄五十年史』(1991)』

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改訂新版 世界大百科事典 「帝都高速度交通営団」の意味・わかりやすい解説

帝都高速度交通営団 (ていとこうそくどこうつうえいだん)

東京都(一部は千葉県)で地下鉄を走らせている特殊法人。銀座線,丸ノ内線,日比谷線,東西線,千代田線,有楽町線,半蔵門線,南北線の各線がある(2008年副都心線が開業)。銀座線(浅草~渋谷)は,アジア最初の地下鉄である1920年創立の東京地下鉄道と34年創立の東京高速鉄道が建設した路線を41年に統合したものである。銀座線と丸ノ内線(池袋~荻窪,中野坂上~方南町)は標準軌間(1435mm),集電方式を第3軌条式で建設されたが,その後の各線は周辺の民鉄やJRと相互乗入れを行うため1067mm軌間,架線式となっている。JR中央線と総武線および東葉高速鉄道を結ぶ東西線(中野~西船橋)は全長30.8kmと距離も長く,4割以上が地上区間で,快速列車が運転されている。丸ノ内線は戦後の車両の高性能化のさきがけとなり,千代田線(北綾瀬~綾瀬~代々木上原)はサイリスターチョッパー制御やアルミ車体の採用など,省エネルギー化をいち早く実用化した。日比谷線(北千住~中目黒)では自動列車運転が一部とり入れられている。2004年4月,東京地下鉄株式会社(通称東京メトロ)に改組・改称された。営業路線183.3km(2004年),資本金581億円(2004年,政府310億円,東京都271億円)。
地下鉄道
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百科事典マイペディア 「帝都高速度交通営団」の意味・わかりやすい解説

帝都高速度交通営団【ていとこうそくどこうつうえいだん】

東京の地下鉄を建設・経営する特殊法人で,1941年交通事業調整の一環として同営団法により設立。営団地下鉄と略。旧東京地下鉄道(浅草〜新橋),旧東京高速鉄道(渋谷〜新橋)などを譲り受け,1951年新線建設を開始。2004年4月,東京地下鉄株式会社に改組・改称(通称東京メトロ)。2013年現在,銀座線(浅草〜渋谷),丸ノ内線(池袋〜荻窪,中野坂上〜方南町),日比谷線(北千住〜中目黒),東西線(中野〜西船橋),千代田線(北綾瀬〜代々木上原),有楽町線(和光市〜新木場),半蔵門線(渋谷〜押上),南北線(赤羽岩淵〜目黒),副都心線(和光市〜渋谷)を営業。総延長192.1km(但し有楽町線,副都心線の重複部は合算せず),2004年資本金581億円(出資者は政府310億円,東京都271億円)。
→関連項目営団交通広告地下鉄道民営鉄道

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「帝都高速度交通営団」の意味・わかりやすい解説

帝都高速度交通営団
ていとこうそくどこうつうえいだん

東京都の区部とその周辺で地下高速度交通事業 (→地下鉄 ) を行なってきた特殊法人。 1941年帝都高速度交通営団法に基づいて設立された。それまで東京地下鉄道,東京高速度鉄道によって行なわれていた地下鉄道事業は,どちらも建設資金の調達不足と低収益に悩んでいた。また京浜地下鉄道と東京市はともに免許線をもっていたが,財政困難で資金の見通しがつかないため工事開始が遅れていた。そこで以上の地方地下鉄事業を一括して引き受けることになったのがこの営団。第2次世界大戦後,ほとんどの営団が連合国総司令部 GHQにより解散ないし改組させられたが,当営団だけは戦時統制目的ではないため存続を許された。 2004年国と東京都が出資する特殊会社である東京地下鉄株式会社 (愛称東京メトロ) となった。

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世界大百科事典(旧版)内の帝都高速度交通営団の言及

【地下鉄道】より

…地下鉄は建設に多額の資金を要するため,地方公共団体または公共企業体の経営によるのが一般的である。したがって,帝都高速度交通営団の東西線30.8kmのうち南砂町~西船橋間14kmは地上区間であるが,これはJRとの相互乗入れをはかるため,および低湿な未開発地域を通過するため高架としたものなので,地下鉄という。また新玉川線は東急の経営という点を除けば地下鉄そのものであるので,私鉄経営による例外的な地下鉄である。…

※「帝都高速度交通営団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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