デジタル大辞泉
「師」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
し【師】
[1] 〘名〙
① 学問や技芸などを人に教授する者。先生。師匠。
※菅家文草(900頃)一・停習禅琴「専レ心不レ利徒尋レ譜、用レ手多レ迷数問レ師」
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「
学士をかへて、琴の師をつかうまつれ」 〔書経‐泰誓〕
② 仏語。道を説いて弟子を導く僧。
出家の際にたちあう得戒師、
戒定慧の三学を教える依止師などの称。
※催馬楽(7C後‐8C)老鼠「西寺の 老鼠(おいねずみ) 若鼠 御裳(おんしゃう)喰(つ)むつ 袈裟喰むつ 袈裟喰むつ 法師に申さむ 師に申せ 法師に申さむ 師に申せ」
③ 周代の軍制で、二五〇〇人が一隊の称。転じて、軍隊。また、戦争。
※寸鉄録(1606)「畢竟大事いでくる時、兵戦軍法のそなへなくてはあるべからず。これを師
(シ)と云」 〔詩経‐小雅・
黍苗〕
④ 易の六四卦の一つ。師の卦。
。上卦は坤
(こん)(=地)、下卦は坎
(かん)(=水)。地下師ともいう。坤は従順の徳を、坎は
艱難を表わし、艱難に際して民が従順に従うさまを示すとされ、
君主、戦争、将軍などを象徴するという。
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)二「我らが本卦師(シ)の卦に当て、師は軍の義也」 〔易経‐師卦〕
[2] 〘接尾〙
① (サ変動詞「する」の連用形「し」の名詞化したもので、「師」は
あて字とも) 技術、技芸などを表わす語に付けて、その専門家であることを表わす。「画師」「薬師
(くすし)」「経師
(きょうじ)」「講談師」など。
② 僧侶、神父などの姓氏に付けて尊敬の意を表わす。
※
懐風藻(751)釈智蔵伝「智蔵師者、俗姓禾田氏。淡海帝世、遣
二学唐国
一」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の師の言及
【グル】より
…〈重い〉という意味のサンスクリットの形容詞で,転じて〈重んずべき人〉をさす名詞となった。インドで父・母をはじめ目上の人一般をさして用いられるが,なかでも〈師〉の意味で用いることがもっとも多い。インドではベーダ時代以来,少年期に師のもとでベーダを学習する定めがあり,グルすなわち師は精神的指導者として最上級の尊敬を受けた。…
※「師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」