帰参(読み)きさん

精選版 日本国語大辞典 「帰参」の意味・読み・例文・類語

き‐さん【帰参】

〘名〙
① 帰ってくること。もどること。
明衡往来(11C中か)上本「少時賜御返事帰参」
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部「士族出の大番頭達は彼がいきなりの帰参を肯じない」
② 一度暇をとった主人もとに再び帰って仕えること。めしかえしがかなうこと。
吾妻鏡脱漏・嘉祿元年(1225)一二月二二日「蒙厚免、自配所帰参」
甲陽軍鑑(17C初)品一二「元の氏康へ大方帰参(キサン)する中にて」
勘当などで一度はなれた親元へ許されて帰ること。
黄表紙・米饅頭始(1780)「おめでたうござります。おしつけ御きさんもできませう」

かえり‐まい・る かへりまゐる【帰参】

〘自ラ四〙 (「まいる」は、貴人の所へ行く、参上するの意) 宮中長上のもとなどに帰る。⇔帰りまかず
※竹取(9C末‐10C初)「此ないし帰り参りて、此由を奏す」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「帰参」の意味・読み・例文・類語

き‐さん【帰参】

[名](スル)
帰ってくること。
一度ひまをとった主人のもとに再び仕えること。「帰参がかなう」「元の職場帰参する」
勘当されて家を出た者が、許されて親元へ帰ること。
[類語]帰郷帰省里帰り帰国帰還帰京

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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