常徳(読み)ジョウトク

デジタル大辞泉 「常徳」の意味・読み・例文・類語

じょうとく〔ジヤウトク〕【常徳】

中国湖南省北部、洞庭湖西方の商工業都市。水陸交通の要地チャントー

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精選版 日本国語大辞典 「常徳」の意味・読み・例文・類語

じょうとく ジャウトク【常徳】

中国湖南省北部、洞庭湖の西岸と沅(げん)江の下流域にある都市。湖広平野南部の工業都市で、農・林産物集散地漢口長沙益陽岳陽沙市へ通じる航路がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「常徳」の意味・わかりやすい解説

常徳
じょうとく / チャントー

中国、湖南(こなん)省北部の地級市。沅江(げんこう)下流部、洞庭湖(どうていこ)の西側に位置し、2市轄区、澧(れい)県など6県を管轄し、津市(しんし)市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口608万7000(2014)。秦(しん)代に臨沅(りんげん)県が置かれ、隋(ずい)代に武陵(ぶりょう)県と改められたのち1913年に常徳県と改称した。また水運陸運の便に恵まれ、経済上、軍事上の要地であることから、後漢(ごかん)に武陵郡治が設けられて以後、歴代の州や府の治所も設置された。明(みん)・清(しん)代には常徳府治であった。1950年常徳県から分離して市制施行。1988年地級市に昇格した。

 機械、紡績木材加工、皮革などの産業を柱として、たばこ製造、食品製造、製紙、製薬、電子工業なども発展をみせている。沅江流域の農・林産物の集散地となっている。常徳―長沙(ちょうさ)間には定期航路がある。また明の栄定王墓、鉄経幢(てっけいとう)、浜湖公園などの史跡、名勝がある。同市桃源(とうげん)県は、陶淵明(とうえんめい)(陶潜(とうせん))の『桃花源記』に描かれた「桃源郷」のモデルとして知られる。

[河野通博・編集部 2016年12月12日]

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改訂新版 世界大百科事典 「常徳」の意味・わかりやすい解説

常徳 (じょうとく)
Cháng dé

中国,湖南省北部,沅江の下流域,洞庭湖の西側に位置する商工業都市。人口135万(2000)。洞庭湖平原南西部の中心を占め開発は古い。漢代に臨沅県が置かれ,隋代以後武陵県と改められ,民国に入り常徳県と改名された。漢の武陵郡,唐の朗州,宋の常徳府,元の常徳路,明・清の常徳府の治所であった。1950年,常徳県から分離して市が設けられた。沅江を通じて米,綿花,桐油,木材,茶,チョマなどを集散する。機械,紡織,木材加工などの工業が発達し,伝統工業には竹器と酒造業がある。
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百科事典マイペディア 「常徳」の意味・わかりやすい解説

常徳【じょうとく】

中国,湖南省洞庭湖西岸の都市。【げん】江流域の桐油,木材,薬材その他,貴州省の物産の集散地。付近は農産物が豊富で,紡織,食品・皮革などの工業がある。140万人(2014)。
→関連項目荊州湖南[省]

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