幄（読み）アゲバリ

デジタル大辞泉

あげ‐ばり【^×幄】

《「揚げ張り」の意》「幄舎あくしゃ」に同じ。
「色々の錦の―に、御簾みすいと青くかけわたし」〈枕・二七八〉

あく【幄】［漢字項目］

［音］アク（呉）（漢）　［訓］とばり
上からかぶせる幕。テント。「幄舎／帷幄いあく」

あく【^×幄】

「幄舎あくしゃ」に同じ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

あく【幄】

〘名〙 四方に柱をたて、棟(むね)、檐(のき)を渡して作った屋形にかぶせ、四方を囲う幕。また、その小屋。神事、または、朝廷の儀式などのおりに、参列の人を入れるため、臨時に庭に設ける仮屋。あげばり。幄の屋。幄舎。幄屋。

※延喜式（927）三〇「凡臨時大祓所、立_二五丈幄二宇、七丈幄一宇_一」

あげ‐ばり【幄】

〘名〙 (「揚げ張り」の意。上にあげて張りつめたことによる名称。「あげはり」とも) ＝あく（幄）

※書紀（720）斉明二年九月（北野本訓）「紺幕(ふかきはなたのアケハリ)を此宮地(ところ)に張り」

※宇津保（970‐999頃）俊蔭「あげばり新しく打ちて」

出典　精選版 日本国語大辞典