幌尻岳(読み)ポロシリダケ

デジタル大辞泉 「幌尻岳」の意味・読み・例文・類語

ぽろしり‐だけ【幌尻岳】

《「ほろしりだけ」とも》北海道中南部、日高山脈にある山。標高2053メートルで、日高山脈最高峰堆積岩変成岩などからなる。

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日本歴史地名大系 「幌尻岳」の解説

幌尻岳
ぽろしりだけ

日高山脈中央北部に位置する。標高は二〇五二・四メートルで、同山脈の最高峰。平取びらとり町と新冠にいかつぷ町の境界にまたがり、日高山脈襟裳ひだかさんみやくえりも国定公園内の特別保護地区。山頂部には北東南東と西に定高性をもつ稜線三本が走り、山容も大きく、稜線続きですぐ北東に対峙する三角錐状の戸蔦別とつたべつ岳と対照的。山体は日高造山運動の衝上の中心域にあって、西斜面は日高累層群の堆積岩類、稜線を含む東側は深成岩類・変成岩類からなる。山頂下の東斜面・北斜面、戸蔦別岳との間の稜線東斜面にカール(圏谷)地形が認められ、それぞれ東カール・北カール・ななぬまカールとよぶ。

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改訂新版 世界大百科事典 「幌尻岳」の意味・わかりやすい解説

幌尻岳 (ぽろしりだけ)

北海道南部,日高山脈にある山。標高2053m。日高山脈の最高峰であり,火山を除けば北海道の最高峰でもある。山名はアイヌ語の〈ポロ・シリ(大きな山)〉に由来し,どっしりとした山容をもつ。新冠(にいかつぷ)川,額平(ぬかびら)川の水源をなし,それぞれの川の源流部には更新世の氷期につくられた典型的なカール地形が発達している。とくに新冠川源流の七ッ沼カールは平たんで広いカール底に,モレーンや羊群岩で囲まれたいくつもの池をもち,登山者に親しまれている。中腹以降は針葉樹を中心とする寒帯林におおわれ,カールには多くの高山植物がみられるほか,氷期の遺存種といわれるナキウサギや,高山チョウダイセツタカネヒカゲなどが生息する。登山は長い間,沢登りによるほかなかったが,近年は林道の開発が進み,額平川方面からは登山道も開かれた。
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百科事典マイペディア 「幌尻岳」の意味・わかりやすい解説

幌尻岳【ぽろしりだけ】

北海道南部,日高山脈にある山。標高2052m。山名は,アイヌ語で大きな山を意味するポロシリからきている。上部には第四期の氷期に形成されたカール(七つ沼カール)があり,その特徴的な地形から日本の地質百選に選ばれている。日高山脈襟裳国定公園に属し,日本百名山にも選ばれている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「幌尻岳」の意味・わかりやすい解説

幌尻岳
ほろしりだけ

北海道日高山脈の北部にある山。標高 2052m。日高山脈の主峰で,火山を除く北海道の最高峰にあたる。平取町新冠町の境に位置し,標高 1500~1800mの高原状の山地の上に突出する残丘状の山。山頂の東側と北側に更新世の氷河によって形成された圏谷(カール)群があり,谷底には氷河擦痕が認められる。地質は日高変成帯の斑糲岩(はんれいがん)や角閃岩からなる。日高山脈襟裳国定公園の一部。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「幌尻岳」の意味・わかりやすい解説

幌尻岳
ぽろしりだけ

北海道中南部、日高山脈(ひだかさんみゃく)中央部の日高側にある山。標高2052メートルで山脈の最高峰。混成岩片麻岩などの変成岩からなり、頂上周辺の東側と北側にカール(圏谷)群が氷食地形をみせ、底部に沼や堆石(たいせき)堤があってポロシリ氷期の存在を裏づける。研究者や専門家による登山は行われるが、一般人の登山は困難である。

[柏村一郎]


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事典・日本の観光資源 「幌尻岳」の解説

幌尻岳

(北海道)
日本百名山指定の観光名所。

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