幕別平野(読み)マクベツヘイヤ

デジタル大辞泉 「幕別平野」の意味・読み・例文・類語

まくべつ‐へいや【幕別平野】

北海道北部、宗谷丘陵西側にある平野中心稚内わっかない市。海岸部には砂丘がある。

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日本歴史地名大系 「幕別平野」の解説

幕別平野
まくべつへいや

稚内市の中央北部にあり、北流する増幌ますほろ(流路延長二三・六キロ)声問こえとい(流路延長四一・九キロ)、サラキトマナイ川(流路延長一四・八キロ)などによって形成された北海道北端部の平野。宗谷湾に面し、東は宗谷丘陵、西は稚内半島の丘陵に囲まれる。西部おお沼があり、サラキトマナイ川が流入する。かつては声問川も大沼を経て宗谷湾に注いだ(稚内市史)。平野はおもに稚内層や声問層に由来する砂礫泥炭層からなる沖積層で構成されている。海岸部には二列の砂丘があり、標高は内陸部の砂丘が八―九メートル、外側の砂丘が三―五メートル。

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改訂新版 世界大百科事典 「幕別平野」の意味・わかりやすい解説

幕別平野 (まくべつへいや)

北海道北部,稚内(わつかない)市域中央にある平野。増幌(ますぽろ)川,声問(こえとい)(幕別)川,サラキトマナイ川流域に発達し,宗谷湾にのぞむ。東は宗谷丘陵に,西は稚内半島に続く低い山地に連なる。平野は標高100~200mの緩傾斜地,60~80mのなだらかな波状台地,泥炭におおわれた沖積地からなる。表土は薄く,やせているため,畑作などは発達しない。台地上では草地造成が進められ,比較的大規模な酪農経営が行われる。宗谷湾に面した入江湾口砂州によって閉ざされたため,大沼,メグマ沼などの潟湖がある。西部を国道40号線,海岸沿いを238号線が通り,北部台地上には稚内空港がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「幕別平野」の意味・わかりやすい解説

幕別平野
まくべつへいや

北海道北部、宗谷湾(そうやわん)に面する平野。稚内市(わっかないし)の一部を占める。東は宗谷丘陵に、西は稚内半島に続く丘陵に限られる。平野の中心となる沖積低地は、宗谷湾に砂州が発達し、湾頭部を潟湖(せきこ)化し、さらに増幌(ますほろ)川、幕別川、サラキトマナイ川などの河川土砂が潟湖を埋積したもので、大沼、メグマ沼などが残っている。沿岸では古くから漁業が行われ、増幌川の河谷と台地では草地造成が進められ、酪農経営がみられる。海岸部には稚内空港がある。

岡本次郎

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「幕別平野」の意味・わかりやすい解説

幕別平野
まくべつへいや

北海道北端の平野。北は宗谷湾に面し,東は宗谷丘陵,西は丘陵性の稚内半島で限られる。増幌 (ますぽろ) 川,幕別川など河川沿いの沖積地と,標高 100m以内の緩傾斜地や台地から成る。海岸には大沼 (シュンプトウ) ,メグマ沼などの海跡湖が分布する。泥炭,酸性重粘土などの特殊土壌と寒冷気候による米作不可能地域に位置するため,牧草地を造成して酪農が発達。

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