平取町(読み)びらとりちよう

日本歴史地名大系 「平取町」の解説

平取町
びらとりちよう

面積:七四三・一六平方キロ

昭和二九年(一九五四)沙流さる平取村が町制を施行して成立し、旧平取村時代の九大字を継承。日高支庁管内の北西端に位置し、東は日高山脈幌尻ぽろしり(二〇五二・四メートル)戸蔦別とつたべつ(一九五九メートル)などを隔てて十勝支庁の帯広市、南東は新冠にいかつぷ新冠町、南は門別もんべつ町、西は胆振支庁勇払ゆうふつ鵡川むかわ町・穂別ほべつ町、北は上川支庁勇払占冠しむかつぷ村、北東は日高町に接する。町域の東部は日高山脈の脊梁部から西に派生する支脈が形成する山岳地帯で、二岐ふたまた(一五九〇・八メートル)糠平ぬかびら(一三五〇メートル)貫気別ぬきべつ(一三一七・九メートル)などがそびえ、北西部には夕張山地南部東縁を占めるハッタオマナイ岳(一〇二一・四メートル)などがそびえる。日高・夕張の二つの山系の間を下る沙流川が町の西側を流れ、額平ぬかびら川をはじめとする大小の支流が注いでいる。近世はサル場所のうち。明治二年(一八六九)八月の国郡画定により沙流郡に所属。同六年までに平取村など九ヵ村が成立(日高国地誌提要)。この九ヵ村は同一三年佐瑠太さるふと(現門別町)に置かれた沙流郡各村戸長役場(同二二年門別村に移り門別村外十七ヶ村戸長役場となる)に所属、同三二年門別村の戸長役場から独立し、平取市街に平取村外八ヶ村戸長役場を設置、大正一二年(一九二三)同役場管下の九ヵ村が合併して二級町村の平取村となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平取町」の意味・わかりやすい解説

平取〔町〕
びらとり

北海道南部,沙流川の中・下流域を占める町。 1954年町制。地名アイヌ語ピラウトル (崖の間にある町の意) に由来。沙流川河谷の農業と町域の約 80%を占める日高山脈の林業が主産業。農業は米作中心で,ジャガイモなどの畑作,酪農,肉牛飼養も行われる。南部の二風谷 (にぶたに) はアイヌの集落でアイヌ文化博物館がある。幌尻 (ぽろしり) 岳,戸蔦別 (とったべつ) 岳西麓一帯は日高山脈襟裳国定公園に属する。国道 237号線が通る。面積 743.09km2。人口 4776(2020)。

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