平等王(読み)びょうどうおう

精選版 日本国語大辞典 「平等王」の意味・読み・例文・類語

びょうどう‐おう ビャウドウワウ【平等王】

[一] (Mahāsammata の訳) インド説話で、人々に選ばれて、適正に政治を行ない賞罰を実行して人々を守護した世界最初の王。大平等王。大衆平等王。
神皇正統記(1339‐43)上「衆共にはからひて一人の平等王を立て、名けて刹帝利(せっていり)と云ふ」 〔起世経‐一〇〕
[二] 閻魔(えんま)大王別称
※談義本・根無草(1763‐69)前「平等王、しづしづと立ち出で申されけるは」 〔慧琳音義‐五〕
[三] 人の死後、一〇の忌日をつかさどる十王、および一三の忌日をつかさどる十三仏の一人。第八の百日忌をつかさどり、本地観音とされる。→十三仏
幸若・一満箱王(室町末‐近世初)「百ケ日は平等王、本地は観世音

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の平等王の言及

【閻魔】より

三途(さんず)の川【五来 重】
[中国]
 インドに起源するとされるヤマYama王の信仰伝承は,仏典を通して中国に伝えられた。漢訳仏典ではその名が音訳されて,閻魔,焰摩,琰魔,閻羅,閻摩羅などと表記され,また平等に罪を治するという職務から平等王とも訳される。死後の世界の支配者として,生前の善悪の行に従って死者に裁きをあたえるとされる。…

※「平等王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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