平衡器(読み)へいこうき(英語表記)statocyst

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平衡器」の意味・わかりやすい解説

平衡器
へいこうき
statocyst

体の姿勢を保持するために重要な働きをもつ感覚器官一種脊椎動物では内耳にある前庭の平衡斑と半規管の平衡稜から成り,位置や直線加速度の感覚は主として前者によって行われ,回転運動など角加速度の感覚は主として後者によっている。前庭器官の場合,平衡砂といわれるカルシウム粉が,平衡斑の感覚毛に圧刺激を与えることで体の位置を知るし,半規管では前後,左右,上下の動きにより管内のリンパに流れが生じ,それを平衡稜の感覚毛で感知するという装置である。無脊椎動物では平衡胞があり,魚類の側線器などとともに平衡器として働いている。いずれも姿勢反射の一部である迷路反射の情報源であり,反射の出発点でもある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android