幾何・幾許(読み)いくばく

精選版 日本国語大辞典 「幾何・幾許」の意味・読み・例文・類語

いくば‐く【幾何・幾許】

〘名〙
① 数、量、程度などの不明であることを表わす。どれほど。いくらぐらい、どのくらい。また、それのはなはだしいこと。副詞的にも用いる。
万葉(8C後)八・一六五八「わが背子と二人見ませば幾許(いくばく)かこの降る雪のうれしからまし」
源氏(1001‐14頃)若菜上「さはありとも、院の御世の残りすくなしとて、ここには又いくばくたちおくれ奉るべしとてか、その御後見のことをば受け取り聞えむ」
② 下に打消の表現を伴って、数、量、程度などが、それほどはなはだしくないことをあらわす。どれほども。それほど。いくらも。
※万葉(8C後)九・一八〇七「幾時(いくばく)も生けらじものを」
伊勢物語(10C前)七八「御随身、舎人して取りにつかはす。いくばくもなくて持て来ぬ」
③ (「いくばくか」の形で用い) 数量がわずかである。「いくばくかの金を包む」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android