幾日(読み)いくにち

精選版 日本国語大辞典 「幾日」の意味・読み・例文・類語

いく‐にち【幾日】

〘名〙
① 不定、不明、疑問日数。また、多くの日数。なんにち何日)。いくか。
氷魚(1920)〈島木赤彦正月「心疲るれば眠りて起きぬ冬の日の明かき二階にいく日(ニチ)も居り」
② 暦の月の不明の日。なんにち(何日)。いくか。第何日目。何日。
※妹背貝(1889)〈巖谷小波〉春「それも生れが水無月の幾日と云ふのから、乃ち水無雄と名付けたとやら」

いく‐か【幾日】

〘名〙 どれほどの日数。また、多くの日。何日(なんにち)いっか
万葉(8C後)七・七五一「相見ては幾日(いくか)も経ぬをここだくも狂ひに狂ひ思ほゆるかも」
[補注]中世以降の口頭語では、たとえば「コリャード日本大文典」に「icca(イッカ)」とあるように、促音で発音されることも多くなった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「幾日」の意味・読み・例文・類語

いく‐にち【幾日】

どれほどの日数。何日。「完成まで幾日かかるかわからない」
いつの日。何日。「注文した品は幾日にできるか」
(「いくにちか」の形で)若干の日数。「あれから幾日かたった」
(「いくにちも」の形で)相当多くの日数。「幾日晴れが続く」
[類語]何時かしら何時の間に何時いつなんどきいつごろいついついつなんどきいつしかいつの間にか何時なんじ何日なんにち何年なんねん某日

いく‐か【幾日】

いくにち。
「あれは―掛かったら抜けるだろう」〈漱石・二百十日〉
かなりの日数。また、多くの日数。
「相見ては―も経ぬをここだくも狂ひに狂ひ思ほゆるかも」〈・七五一〉

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