広敷(読み)ヒロシキ

デジタル大辞泉 「広敷」の意味・読み・例文・類語

ひろ‐しき【広敷】

江戸時代町家台所上り口板敷の間。また、大名邸内の奥向きの所。
江戸城中、本丸西の丸大奥にあった大奥役人詰め所。大奥の事務を扱う。
広間
「宿の―に出でて」〈浮・諸艶大鑑・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「広敷」の意味・読み・例文・類語

ひろ‐しき【広敷】

〘名〙
① 広い座敷。広い部屋。広間。
仮名草子・水鳥記(1667)一四「そこふかもよかりけん、心得たりといふままに、ひろ敷までおどり出」
② 江戸時代、大名屋敷の奥向き、または台所や、台所に続く部屋。また、町家でも台所やそれに続く二、三畳の間をさしていった。おひろしき。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第三二「万灯の責て光はならず共 暮に及ばは広敷を掃け」
③ 江戸城本丸と西の丸の大奥の側に設けられていた大奥勤務の役人の詰所。広敷用人以下の役人が詰め、大奥のすべての事務をつかさどった。おひろしき。〔明良帯録(1814)〕

ひろ‐し・く【広敷】

〘他カ四〙 柱などが揺るがないようにいかめしく建てる。神殿などを広く造る。壮麗に造る。ひろしる。ふとしく。
延喜式(927)祝詞「此の所の底つ石(いは)ねに宮柱広敷(ひろしき)立て、高天の原に千木高知りて」

こう‐ふ クヮウ‥【広敷】

〘名〙 ひろく敷くこと。ひろめること。
※平和克復の詔書‐大正九年(1920)一月一〇日「文明風化を広敷し、益々祖宗の洪業を光恢せむことを庶幾(こひねが)ふ」

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