庄川(川)(読み)しょうがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「庄川(川)」の意味・わかりやすい解説

庄川(川)
しょうがわ

岐阜、富山県を流れて日本海に注ぐ川。一級河川。岐阜県高山市の烏帽子(えぼし)岳(1625メートル)に発し、飛騨(ひだ)高地西部を北流し富山県に入り、南砺(なんと)市を貫流して庄川峡利賀川(とががわ)を合流し、礪波平野(となみへいや)の大部分を形成する大扇状地をつくり、北流して射水(いみず)市で富山湾に注ぐ。延長115キロメートル、流域面積1189平方キロメートル。飛騨高地を流れるときは比較的開け、白川村鳩谷付近でやや広い段丘を発達させる。南砺市西赤尾からは狭いが断続的な段丘を形成し、同市下梨(しもなし)から下流庄川峡とよばれる峡谷状の谷形となる。小牧ダムと大牧温泉を結ぶ遊覧船がある。1930年(昭和5)に始まる電源開発により、下流から上流へと小牧、祖山(そやま)、小原(おはら)、成出(なるで)、椿原(つばきはら)、御母衣(みぼろ)のダムが建造され、庄川の谷は湖水が連続する観を呈し、庄川流域で五箇山(ごかやま)、白川郷など長い間隔絶されていた地域も一変した。2004年(平成16)には庄川水系全流域のダム数17、発電所23、発電最大出力は103万2700キロワットに達した。なお、富山県砺波(となみ)市庄川町金屋(かなや)には1940年に礪波平野の大部分を灌漑(かんがい)する合口ダム(ごうくちだむ)(舟戸ダム)がつくられ、庄川右岸の芹谷野(せりだんの)、針山、三合新用水左岸の二万石、舟戸口、千保柳瀬(せんぼやなせ)用水などの水はここで取水する。

[深井三郎]


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